2004年夏・北海道羅臼岳登山1/2 ページ
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳
羅臼温泉バス停→(5分)→羅臼岳登山口→(5分)→国設羅臼キャンプ場[幕営]→(5分)→登山口分岐→(15分)→
木かくれの滝→(30分)→里見台→(40分)→第一の壁入口→(40分)→スズラン峠→(40分)→泊場→(50分)→
屏風岩→(50分)→お花畑分岐→(40分)→羅臼平→(20分)→岩清水→(30分)→羅臼岳山頂
毎年、夏場は地元ボーイスカウトの登山のサポートをしているが、今年は羅臼岳(らうすだけ)に行くとのことで、はるばる北海道までの遠征となった。
ボクは直前まで別件の用事があったため、遅れて東京を発ち、スカウトたちとは登山口となる羅臼温泉のキャンプ場で落ち合うことに。
北海道、しかも道東へは遠い道のりである。しかも丁度お盆時期で、飛行機なんて混むし高いし乗ってられない!!
ってことで、北海道&東日本パスというトクトクきっぷを利用して行くこととした。
東京を始発列車に乗り、東北本線を普通列車で北上。青森から急行はまなすに乗り、翌朝、苫小牧で下車。さらに追分、新得、帯広と乗り継いで釧路に到着。そこからバスに揺られること約3時間30分、ようやく羅臼にたどり着いた。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山羅臼からキャンプ場まで歩くつもりだったが、羅臼温泉まで100円バスが出ているとのことでそれを利用する。
でもって羅臼温泉に到着。しかし、キャンプ場はここからさらに歩く必要があり。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山キャンプ場へ向かう途中、羅臼岳への登山口を右手に見る。
羅臼側からの登山口は、ここと、キャンプ場からの2箇所がある。
ただし、どちらから入っても、すぐ先で合流するため大差はない。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山でもって先ほどの登山口から少し進めば、国設羅臼キャンプ場にたどり着く。
幕営料は無料の上、熊ノ湯というこちらも無料の露天風呂もある。
テン場も、駐車場も広く、多くの人で賑わっていた。
ここでスカウト2名と無事合流。明日は早いため、夕飯を食べて速攻で就寝。
ちなみに携帯電話は圏外(J-PHONE)。
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山その晩、21時くらいに一度目が覚めたので、空を見上げてみたら満天の星空だった。
明日の天気は良好!と思っていたが、3:00頃に起きてみると小雨が降っていた。わざわざ北海道まできて雨中登山かぁと少々嘆く。
テントを撤収して、雨具に身を包み、4:30頃にキャンプ場を出発する。

5分程で、昨日見た登山口との合流点に到着。ここには登山者ノートがあるので記入する。本日は我々が最初の入山者のようだ。というか、多分唯一の入山者だったような気もする。。。。。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山最初は樹林帯の道が続く。道は比較的明瞭だが、やはり羅臼側からの入山者は少ないようで、道は細く、ヤブがひどい箇所も多々あった。
しばらくすると木かくれの滝。水量がほとんどない滝であった。

しばらくはゆるい登りが続き、尾根をぐるっと捲くような道になると、そこが一息峠。
そこから尾根の上へ一気に上り詰めると里見台(さとみだい)に到着となる。
相変わらず小雨が降る天候だが、里見台からは目前に国後島を見ることができた。実は北方領土を見るのはこれが生まれて初めて!!
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山ここから道はほぼ平坦となる。
しばらくすると樹林帯からようやく視界が開け、ハイマツ帯となる。〔右画像〕ここがハイ松原。
さらに進むと第一の壁入口の看板〔左下画像〕に到着。右側に岩場の壁がそびえている登山道を進む。岩場の道で歩きづらい箇所もあるが、登りはきつくない。
そのゆるい道を登り詰めると、遠くに登山川(とざんがわ)の沢筋が見え、振り返るとこれまで右手にそびえていた壁を一望できる場所に出る。道標はないが、ここがスズラン峠。ちなみに携帯電話は通話可能だった。〔右下画像〕
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山スズラン峠から道は下りとなる。
やがて登山川と合流。鉱物が混じっているらしく、沢筋の岩は赤錆色をしている。せっかくの水だが、とても飲む気は起きない。というより、飲むと危険である。
このまま沢沿いに登っていくが、途中から登山道は沢の右岸になるため、1度徒渉することに。徒渉箇所は、特に目印とかもないので気を付けたい。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山沢沿いにしばらく登っていくと、沢の色がどんどん白くなっていく。あげくには雪渓と間違えるくらい真っ白に!!
左の画像は雪渓でもなんでもなく、普通の沢である。硫黄かなにかが岩に付着し、一面真っ白になっている様子。こんな光景、これまで見たことがなく、かなりの驚きだった!!
このあたり、真っ白い沢筋をいくつか徒渉することに。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山やがて、いくつかの沢が集まる中央にちょっとした広場が見えた。ここが泊場(とまりば)である。幕営も可能だが3〜5張が限界か?
ここでは小さな沢がいくつも合流しているうち、登り方向に向かって右側の尾根から流れ出る沢だけは白くなく、飲用可能である。ただし、エキノコックスに感染する危険性もあるため、溜まっている水ではなく、必ず流水を汲むように。また、煮沸した水なら感染することは100%ないため、できれば一度沸騰させた方が無難。
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山泊場を出ると、左画像のような枯沢の道を進む。結構歩きづらい。
さらに途中、雪渓もあったが、右側に捲き道があって迂回することができる。
羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山しばらく登り詰めると屏風岩(びょうぶいわ)の看板に出くわす。見上げると、屏風のような岩の壁がそびえていた。しかし、ここにきてガスがひどくなり、ほとんど視界がなく、その全容を見て取ることはできなかった。
ここは下山時、非常に迷いやすいとのこと。道は屏風岩に沿って付いているが、下山時、ここから道は右手に分かれる。それがわからず、そのまま真っ直ぐ下りてしまいがちとのこと。左下画像ではちょっと分かりづらいが、立入禁止のロープと赤リボンが張ってあるのが見て取れる。
また、ここでは屏風岩の上から落ちてくる豪快な滝もあった。よって水も補給可。
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山屏風岩からは沢沿いの急登である。しかし、ここにきてホントに視界が悪くなり、赤ペンキを見失うことしばしば。
で、左画像にある雪渓までたどり着く。地図ではこのあたりに雪渓アリとなっていたので、この雪渓を登るとかと思ってしまったが、実は道は右側へ迂回する格好となっていた。このあたり、ほとんど赤ペンキがなく、非常に迷いやすい。
でもって再度の急登を登ると、そこにはお花畑が広がっていた。さらに登山道は右下画像の雪渓へ一直線に向かっている。ここからいよいよ雪渓の登り。だが、雪渓を見上げても踏み跡もなく、印もないうえ、視界がなくてどちらへ進んでいいのやら。また、雪渓はかなりの急登の上、表面は完全に凍っているのでアイゼンを着けていても非常に滑りやすい。よってここは安全を喫して羅臼平(らうすだいら)へ抜ける迂回路へ進むこととした。

しかしこの迂回路、もうほとんど廃道である。ハイマツをかき分けながら進む感じ。しかも黄色いテープがところどころに付いているものの、もうどこが道だかさっぱりわからない。途中、ここが正規の道ではないのでは?と思って何度も引き返したりして、かなり時間をロスってしまう。また、雪渓直登のコースと、羅臼平への迂回路の分岐点には、特に道標もないのが拍車をかけている気がした。このルート、ホントに迷いやすいので最大限の注意が必要!!
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山正しい道なのか不安になりつつ迂回路を進む。しばらくしたら無事、羅臼平に到着し、ホッと胸をなで下ろす。と同時に、稜線に出たためかものすごい強風で一気に体温を奪われる。
ここでも幕営可。10〜20張くらいか?
また、ここで幕営する際、食糧などのにおいに誘われてクマに襲われないようにするため、右下画像のようなフードロッカーが用意されている。食糧などはここに保管し、決してテントの中に放置しておかないようにしたい。
で、我々はここにザックをデポし、空身で山頂をピストンすることにした。
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羅臼温泉〜里見台〜泊場〜羅臼平〜羅臼岳 | 北海道羅臼岳登山羅臼平からはハイマツ帯のゆるい登りである。しばらく行くとケルン〔右画像〕が見えた。ここが例の雪渓を直登するコースの合流点である。また、すぐそばには岩清水〔左下画像〕がある。その名の通り、岩から水がしたたっており、羅臼平に幕営した場合の水場もこことなる。だが、ホントにチョロチョロ程度なので、水筒をいっぱいにするにはかなりの時間を要する感じ。

岩清水からラストスパート!山頂まではひたすら岩場の急登となる。
で、その急登を登り詰めると、ようやく羅臼岳の山頂に到着!!しかし、悪天候のうえ、山頂はさらに強風。もう寒くて仕方ないので早々と下山。。。。。
ちなみに携帯電話は圏外であった。
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