1999年夏・南アルプス単独縦走2/13 ページ
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走千頭ダムからはちょっとした山の登りになっている。今まで歩いてきた寸又川右岸林道から、寸又川左岸林道へシフトチェンジするためである。
途中、廃墟になっている小屋を過ぎ、逆河内林道を乗り越え、ようやく寸又川左岸林道に到着。
ここにきて雨も上がり、天気は良くなったが、今回初の本格的な登りだけあって、やはり荷物の重みを肩で感じるようになった。とにかく重たい!!
テントが水を吸ったため、家を出るときより確実に重量は増している。
こんなんでこの先大丈夫なのか、いささか不安にもなってくる。
この時点でお昼も過ぎていたため昼食をとることにする。
しかし、メシを食っている最中に突然の雷雨!!
慌てて荷物をしまい、装備を整え出発する。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走ここからはひたすら寸又川左岸林道を上流に向けて歩き続ける。
一体どのくらい歩けばいいのか見当もつかないくらい。
するとなにやら林の中でガサッガサッと音がした。何とカモシカであった。
山に行って、野生のカモシカを見るのは今回が初めて!!ちと感激。
まあ、このあたりはカモシカの保護区になっているくらいだから、出会っても不思議ではないが。
ちなみにこの後すぐ、普通のシカにも出会う。でも、ただのシカなら丹沢で腐るほど出会っているので、「ふ〜ん」程度で流してしまった。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走やっとイベントが現れた。ちなみにこの「イベント」とは、山頂、分岐、山小屋など、何かしら地図上で自分の位置が把握できる場所に辿り着くことを、我が登山隊では「イベントが発生する」とか「イベントに着く」等と言っている。

ここは大無間山(だいむげんやま)の登山口。しかし、ここからの登山道は地図でみると廃道になっているらしい。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走こちらが新道となる大無間山登山口。
にしても、あとどれくらいあるのだろうか?
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走この林道は、ちょっと歩けば沢にぶつかるため、水筒は空っぽで充分。
そんな水が豊富な林道に「寝水の水」という看板が出ている水場があった。
せっかくなのでこの水を飲んでみた。
しかし、ここまでくると、どこの沢の水もおいしいため、格別においしい!という程の水ではなかった。

そして、この時点で既に16:30をまわっていた。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走本日の目的地は、光岳(てかりだけ)登山口までを予定していた。地図によると寸又峡温泉から8時間半。
寸又峡温泉を出発したのが8:30なので、単純計算で17:00に着くはずであった。
しかし、既に時刻は18:00になろうとしている。山で歩くことのできる限界の時間である。
だいたいの見積もりで、光岳登山口まではあと10kmといったところ。
これまで時速4kmのペースを守っているため、もしこのまま行けば、あと2時間半くらいはかかってしまう。ということは20:30。とてもじゃないがそんな時間まで歩けやしない。

そんなとき、大根沢(おおねさわ)から少し上流にのぼった写真にある小屋にたどり着いた(後日、地図で確認したところ、ここが栃沢小屋らしい)。この林道沿いには、こういった小屋が多く建っている。いわゆる素泊まり用の小屋で、もちろん無人。中には畳が敷いてあり、ストーブと薪まで用意されている。
という訳で本日はここで断念。テントもあるのだが、せっかくなので小屋を使わせてもらうことにする。というのも、荷物を少しでも軽くしたいので、テントや雨具を干し、重たい水気とオサラバしたかったのだ。
よって、急遽小屋の人に変身....もちろん他には誰もいません。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走翌日はまずまずの天候。遅れを挽回すべく、早朝に小屋を出発。
しばらくすると三昇の滝(さんしょうのたき)に到着。かなりの落差があり、結構な迫力であった。
これだけの名瀑なので、滝壺も相当なものなのかと思いきや、滝はそのまま林道の上に落ちていた....
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走そうそう、本日は死ぬほど足が痛いのである。
恐らく昨日、重たい荷物を持ってアスファルトの道を10kmも歩いた影響であろう。
なので、なかなかペースが上がらなかったが、ようやく釜ノ島(かまのしま)に到着。ここまで来ると、光岳登山口ももうすぐといった感じ。実際はまだまだあるのだが、今まで歩いてきた距離を考えれば近いのだった。ここにきて、距離の感覚、時間の感覚がいろいろとずれてきている。
千頭ダム〜寸又川左岸林道〜光岳登山口 | 南アルプス単独縦走東京を出てから3日目、遂に登山口に立つ!!
登山口までこんなに大変だったのは、未だかつてなかった。
地図では8時間半と書いてあったが、登山口に着くと「寸又峡温泉39.9km」の文字が....
約40kmもあるのだから、時速4kmでも10時間じゃないか!!こんなとこ8時間半で歩けるはずないじゃないか!!結局、地図に騙された格好....
しかし、何はともあれ、この吊橋を渡れば、光岳に向かって一直線の登りとなる。

それにしても、林道に入ってからは全然登山者に出会わなかったなぁ。
出会ったのはツーリング中のライダーの人に、林道工事の数人だけ。
果たして上に登っても登山者はいるのだろうか?
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